最近、ツイッターでアルティメットの練習場所に使っているグラウンドが使用禁止になったとか、それが撤回された、とか言う話題があったので、思うところを少々。
アルティメッターにとって、練習場所の悩みは避けては通れないと言っても過言では無いと思う。
アルティメットチャレンジャーがアルティメットを始めた17年前から、それはあまり変わっていない様な気がする。
まず、世界を探してもアルティメット専用のグラウンドは(自分が知る限り)一つしか無い。
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アルティメット専用グラウンド(カナダ)まあ、野球場でも、サッカー場でも、ラグビー場でも、基本、芝生のフィールドがあれば、練習できるので、専用グラウンドにこだわる必要が無いのだが、他の競技だと予約ができなかったり、使用許可が下りなかったり、ということは少なくない。
これは大人の事情もあると思うが、そのフィールドを作る時に、野球協会なり、サッカー協会なりがお金を出していたりする、ということもあるので、そう言った競技が優先されてしまうのは、しょうがない部分もある。
あと、アルティメットにはプロチームが無いので、学生チームはもちろん、クラブチームも財政的には厳しく、高い使用料を払って、整備されたフィールドを使うということも、毎週の練習では厳しかったりする。
そこで、よくあるパターンが、河川敷のグラウンドや公園の広場を使って練習するというパターンである。
(というか日本のほとんどのアルティメットチームがこれだと思う)
この場合、管理者(役所や公園管理事務所等)に使用許可を得ているケースとそうでないケースがある。
前者でも、河川敷や公園の広場という性質上、占有使用を許されている場合は少なく、他のスポーツや一般の人の迷惑にならない範囲なら使ってもいいですよ、的な許可が多いと思う。
また、後者の場合は、ある意味、無断で使用している(そもそも管理者がはっきりしない場合もあるが)わけなので、一般の人に迷惑をかけないこと、他スポーツ(又は他チーム)とうまくやっていくこと等、はとても大切だと思う。
例えば、コーンで囲まれたアルティメットフィールド内に、一般の人が入ってきたりすることは良くある。
アルティメットを見たことの無い人からすると、コートがどういう形なのかや、ゲームの流れ、ディスクの飛距離などが想像できないから、今そこに人やディスクがなければ、歩いても問題ないのかな、と考えるのも無理はない。
(そもそも、その場所をアルティメットで占領していいか、という問題もある)
例えば、野球の外野はどこまでボールが飛んでくるか、野球をやったことのない自分には分かり難い。
もしかすると、邪魔にならない場所を歩いてるつもりでも、バッターからすると危ないので、プレーが中断しているのかもしれない。
もっと言えば、クリケットというスポーツはどういうコートの形をしているのか、どういう方向にボールが飛んでくるのかは全く想像がつかない。
知らないうちに、ほかのスポーツをやっている人達に迷惑をかけているかもしれない。
だから、自分がアルティメットをやっている時にそういうことが起こった時は、その人がコート外に出て行きそうならそれを少し待つか、暫く留まりそうであれば、「すみません。今ちょっと練習(試合)をしていまして、このコーンの外側に移動してもらえませんか?」と丁寧にお願いする様にしている。
これを、自分達がコーンで囲んだエリアなんだから入ってくる人が悪い、という感じで、「どいて!」とやると、その人達に不快に感じ、それを役所等に通報したするなど、無用なトラブルを起こしてしまう可能性がある。
もちろん、練習や試合に集中している時に、中断されるのは気分の良いものでは無いかもしれない。
しかし、相手のことを考え、自分達の置かれている状況を考えて、一歩引いて、落ち着いて、丁寧に対応するのが、後々のためにも良いと思う。
イライラした気持ちを持って練習しても良いことは無いし、10分や20分も中断されるわけでは無いのだから。
また、他スポーツとうまくやっていくことも大切だと思う。
特に最近ではラクロスやアメフトのチームと場所を取り合う状況になってしまうことが多いと感じる。
メジャースポーツでない彼らも練習場所には苦労しているのだと思う。
なので、出来るだけ、話し合い、協力できる所は協力していくのが、お互いのためだと思う。
例えば、先にその場所に入り、アルティメットコートを作っていたとしても、基礎練習などをしている時間は全部使わないわけだから、そういう時は、自分達が必要な場所を相手に伝え、邪魔にならない範囲で彼らにも場所を使わせてあげるとか、昼休憩をうまく利用して、使用時間を重ならない様にするとか、いろいろあると思う。
こういうことをして良い関係を築ければ、逆に、彼らが先に場所に入って練習していた場合でも、こちらに協力してくれるかもしれない。
これは、他スポーツに対してだけではなく、他のアルティメットチームに対しても同じことが言えるだろう。
また、基本は、(使用許可が無い場合)その日、先にその場所に入って練習を始めているチームが優先されるべきだと思うが、近くに住んでいるチームメイトなどが先にコーンだけを追に来て、あとの人は後から来るのに場所をもう占領した、と言うのは、正直、どうかと思う。
これはアルティメット界では通用する手かもしれないが、他のスポーツにはどうだろう?
また、極端な話、前日、いや、一週前からコーンを追いていたら良いのだろうか?
そこに誰かいないといけない、という言い方もあろうが、場所取りのためだけに一人(又は数人)だけ来ているチームと、全員が集まって練習を始めたいチームがあるならば、基本的には、グラウンドや広場はみんなのものなのだから、後者のチームが使用するのが正しい使い方だと思う。
それから、アルティメットの練習の場合、午前中から日暮れまで練習を続けるチームも多いが、他スポーツだと2〜3時間で終わる場合も少なくないので、そう言った人達から見れば、アルティメットチームは長時間グラウンドを占領しすぎだと感じるかもしれない。(アルティメットも、他スポーツの様に、数時間の密度の濃い練習にするのもありかもしれない)
仮に、トラブルが発生したら、役所はどう考えるか。
悪い(と思われる)方を使用禁止にするだろうし、もしどちらが悪いのか良く分からない場合は、面倒を避ける為、とりあえず、両方とも使用禁止にしてしまうこともありるだろう。
こうなっては、どちらに取っても良い状況では無い。
それから、野球やサッカー等の使用目的が決まっているグラウンド、もしくはその周辺を使用する場合は、最善の注意が必要だと思う。
これは実際にあった事だが、ささいなことから、アルティメットチームと野球チームがとっくみあいの喧嘩に発展したのを見たことがある。
こういうことが原因で、その場所が使えなくなったりしてしまうのだ。
あとは、他のスポーツが使用を控えているような、雨の後のぬかるんでいる様な状況で、激しい練習をすると芝がグラウンドが荒れてしまう恐れがある時は、本当に使っても大丈夫か、十分検討する必要があると思う。
たった1度、そのチームがグラウンドを使って、荒らしてしまった結果、全てのアルティメットチームが長期間使えなくなってしまうこともあるかもしれない。
いずれにしても、全てのアルティメットチームや選手は、一般の人や他スポーツのことを考え、自分達の置かれている状況を考えて、練習場所を使っていくことが、自分達のため、チームのため、アルティメット全体のためになると思う。