ここ数年は夢の島の決勝戦だけを見るだけだったが、今回の本戦では、トップのチームだけでなく、そこに追いつこうとするクラブチームや学生チームの試合も見ることができ、とても興味深かった。
全体的に気付いたことは、日本人選手は皆スローがうまく、パス回しが素早い、ということ。
外国ではスローがあまりうまくない人(でも何かに秀でた人)がレギュラーを張ってたりすることが珍しくないが、日本人はそれが少なく、みんなかなり高いレベルのスキルを持っている。
これはスローの練習を真面目にやる国民性が一つの要因だと思うが、やはり日本の武器になるだろうと感じた。
自分が見た試合の中で特に面白かったのは、13連覇中の文化シヤッター・バズバレッツと学生王者・上智大学フリークスとの準決勝。

文化シヤッターが新しいオフェンスセットや戦術等を試しながら試合を進めていたことは差し引いて考えなければいけないにしても、日本代表の玄島選手とレフティーの根本選手を中心に上智大学はしぶとく食らい付き、後半の連続ブレイクで12-12の同点に追いついたことは評価に値すると思う。

ここ最近、国内大会でバズが後半に追いつかれるパターンは見たことがなく、ひょっとすると、と思わせた試合だった。
しかし、ここからギアを上げた文化シヤッターは一気に4点連取で、最終スコア17-13で勝利。
やはり、強かった。
しかし、学生チームでここまで完成度の高い攻撃を確立し、文化シヤッターを手こずらせたのは、未来を感じさせるものであった。
また、文化シヤッターの絶対的強さも永遠に続くものではない、と予感させる様な試合でもあった。
(それでもまだまだ圧倒的な地力を持つことは間違いないが)
日本のアルティメットの発展のために、願わくば、女子の3強(壱、マッド、ハック)の様に、文化シヤッターと対等に渡り合い、切磋琢磨し合う存在のチームが出てくればいいなと思う。